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スペイン建築家集団RCR Arquitectes の活動

TOTOギャラリーでは、田根剛さんの展示会が行われているところですが、年が明けた1月24日からはスペインの建築家集団の「RCR Arquitectes」の展示が始まります。

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RCR Arquiteictes (出典:https://cat.elpais.com/cat/2017/03/10/actualidad/1489178427_453077.html)

カタルーニャ地方のオロットという地方の町を拠点に活動し、環境と建築の連続性をひとつの大きいテーマとして掲げています。創設者のRafael Aranda、Carme Pigem、Ramon Vilaltaの3人の頭文字から事務所の名前が付けられており、この3人は同じ年にバレス建築専門校を卒業した同級生でもあります。

代表作はオロットにあるトゥッソル・バジル陸上競技場やジローナにあるベルロック・ワイナリーなどがある。陸上競技場は建物は低く抑えられ、走る時に自然と森の奥行きを感じるようになっているという。

 

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トゥッソル・バジル陸上競技場 (出典:https://casabrutus.com/architecture/47827/3)

ベルロック・ワイナリーはワイン畑の風景との関係性を考えられ、景色の中に溶け込むように設計され、内部空間は日常の水平垂直性を避け、非日常的な空間を作り出している。ワイナリーという日本人にはそこまでなじみない施設だが、地中海地方では日常であるワイン産業の中で、重要な貯蔵施設を外と連続的につながりながら、内部は非日常な空間というものがRCRの根底にある概念なのかなと思う。

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ベルロック・ワイナリー (出典:https://casabrutus.com/architecture/47827/4)

以前東大でプリツカー賞受賞記念の講演会を行ったときはこれらの作品の思想とともに、日本の原風景から受けた影響についても度々話に上がっていた。日本建築にみられる内と外の関係性は、ブルーノ・タウトに影響を与えたようにヨーロッパ建築とは違う日本独特の優れた仕組みであるのかなと思う。建築のあいまいな境界線のつくりかたは、日本で伝統的に培われてきたものでもあり、建具や半外部空間の構築方法は学ぶ甲斐がある。

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桂離宮 (出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%82%E9%9B%A2%E5%AE%AE)

RCRは2013年にRCR BUNKA財団という日本の「文化」に由来している文化と社会、建築、ランドスケープの関りを促進する活動を行っている。奈良の吉野町と協力し、吉野の木材を用いて「紙のパヴィリオン」というプロジェクトも行っており、この展示会ではドキュメンタリー映像も合わせて展示されているのでこれはすごい楽しみ。今後もRCRがおこなう日本の文化を取り入れた活動とおして、自分たちが日本文化を再認識するきっかけになってもらいたい。