まいぺーすに建築ブログ。

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図面表現の重要性

建築設計の成果物の一つの〈図面〉は、本来は建築を建てるための指示書として描かれ、如何に”建てるための”情報を詰め込めるかが大事であるが、〈図面表現〉は建てるためというより自分のその建築に対しての姿勢を写すためのものだと思っている。

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『出典 :https://www.metalocus.es/en/news/material-aspect-through-peter-zumthors-two-most-personal-works-12

実務的ではなくてもその建築で何を考えて、何をしたのかを伝えることが一番大事になる。大事になることは作品ごとに大きく変わるだろうし、例えばその建築を利用する人々の営みが大切なのであれば、具体的な利用法を表現するべきだし、システムや制度的なことが大事であれば具体例というより、ダイアグラムと融合したような図面になるかもしれない。

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『出典 :http://afasiaarq.blogspot.com/2015/02/oma_28.html?m=1

ここで自分が一番に思うことは、提出図面に縛られることが本当に正しいかどうかである。基本の平面図、立面図、断面図が必ずしも必要とは限らなかったり、アクソメやパースを書くことでこれらが不必要になったり、むしろ余計に情報が重なることで、分かりづらくなることもありえると思う。必要な〈図面表現〉を自分で選びその中で表現した方が、よりダイレクトに伝えられることもあると思う。この〈図面表現〉の選択の際に自分の引き出しをたくさん持っておくこと、そのために日頃から色々な建築家の作品集や雑誌を見ておくことが大切だと思う。建築家それぞれに図面表現の傾向があり、それは各々の建築家の表現したいものを最も端的に表すために選ばれており、何度も何度も考え込まれている。それらは建築家のバックグラウンドと合わせてみるととても面白く参考になる点も多い。建築家の持つ主義主張や背景は本や展示会、雑誌などでも知ることができ、それらが反映されている〈図面表現〉は伝わりやすいし何よりもかっこいい。

GA DOCUMENT 147 INTERNATIONAL 2018

GA DOCUMENT 147 INTERNATIONAL 2018

 

〈図面表現〉は各建築家が出している作品集でも多くを見ることができるが、自分は雑誌で見ることが好きで特にGA Document のInternationalはその中でも秀でてると思う。この書籍が他の雑誌よりも良いと思うのは建築家の多様性が素晴らしい。雑誌などは住宅に絞った特集やアジアなど地域に絞った特集があるがこの書籍はそれがなくオールジャンルなイメージが強い。それぞれの建築家の個性も強く現れた〈図面表現〉が並び、比較することで建築家の個性が際立つ。この本は毎年出ているが、図面としてまとめる際のカタログのようなものとして持ってみても良いとおもう。雑誌を購読するのは何かとお金がかかり負担があり、何より必要な時しか見ないが、この本は引き出しとして成果物を作る際に役立つと思う。