高輪ゲートウェイ駅

昨日開業した高輪ゲートウェイ駅に。開業前から度々話題に上がっていた駅だが、都心に新しく駅が出来ることはあまり無いことなのでなんだかんだ楽しみにしていた。

まず、この駅の大きな特徴として言えるのはホーム上は大空間になっていることだと思う。ホームにも大きな屋根を支える柱が気になるようなことはなく、ホームと駅上の空間で空間の感じ方がだいぶ異なるように見えた。どうしてもこれまでの駅は、階層がスラブによってはっきりと分けられていることが多く、ホームとその上の階は完全に切り離されていることが多かった。これは、ある意味では、上階にエキナカの店の床をつくることが出来る面では優れているのだが、そうではないまた別の価値をこの駅で造ろうとしているように思えた。

また、開業に合わせて臨時の動線になっており、改札を出なくても屋根の外に出ることが出来たことも面白かった。今後、改札というものがなくなったときの駅の可能性を感じたし、この駅はそういった将来の場面にも対応していきそうと思えた。周辺はまだ何もないような空地が延々と広がっている状況ではあるが、駅と周辺の街の関係、街にとっての駅の存在感の新しいタイポロジーを見ることだ出来るととても面白いと思う。

このような木質の壁面が多く使われているのも大きな特徴なのだが、トイレを待ちで並ぶときなどに、みんなが壁を触っていたのが面白かった。建築を学んでいる人は良く壁の素材を触ったり叩いているのを見るが、きっとそうではない人や子供までもが、壁を触ってみていることに面白さを感じた。設計者と利用者の考えていることが乖離しすぎずに、ダイレクトに伝わっていくともっと面白くなりそうだと思う。

最近、駅に対して行うプロジェクトを行っている身として、これだけ、直接的に製作者側の考えていることが利用者に届くことはいいなと思ってしまった。駅自体は、まだまだ未完成で、周辺の開発もセットで完成という側面もあると思うので、この駅を通して色んな可能性を試してみてほしいと思う。

個人的には、タッチ面が斜めになっている改札機は、applewatchを利用しているととても快適だった。(これまでの改札機は高さが低かったりして、なにかとスムーズではないことが多かった。)駅から出るという動作が、より簡単なものになっていくと、都市の体験は変わっていくと思う。

他にも、折れているサインやはみ出している案内、色が調整されている点字ブロックなど、細かい技術でいろいろな試行がなされていることを感じた。そういえば、ポスターは何も貼られていなかったかなと思う。今後、どのように貼られて行って管理されていくのかも気になった。

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